ピアノを教えるというより、アートを体験する方が大切なのだと思った。

昔、劇団で、即興のお芝居をやっている方が、
ピアノを習いたいというご希望で、
体験レッスンをうけられました。

その方は、即興芝居に合わせて、ピアノの即興演奏が、
よいタイミングで、入ってくると、
どんどんお芝居が、盛り上がるので、
ピアノも習いたくなったそうです。

子供の頃に、ピアノを習われたそうですが、
教則本を順番に、間違えないで、演奏する
レッスンで、結局、気が向かなくなって、
止めてしまったそうです。

私は、お芝居の脚本に音楽をつける事や、
朗読に、即興で、ピアノ演奏をつける事は、
やった事があるけれど、即興のお芝居に、
即興で、音楽をつける事は、やった事がないので、
興味を持ちました。

とりわけ、楽譜に表せない、
芝居と音楽の間とか、リズムに興味があったのです。

漫才も同じですが、会話の間が悪いと、
リズムが狂って、笑えなくなるそうです。

「その場の即興のお芝居にあった、良いリズムの
楽譜で書きあらわせない間とは、どういうものなのだろう?」
と興味を持ったのです。

経験のない私が、想い浮かんだのは、
まだ、楽譜も読めないし、音符も読めない幼児が、
私と連弾する、即興演奏です。

ピアノを習っている、6歳のお姉さんについてきて、
「あたしも弾くんだ」と、お月謝はもらっていませんが、
弾きたがる3歳児の子もいて、お姉さんと3歳児と、
私の3名で、ピアノで、即興演奏しました。

楽譜に書きあらわせないリズムでも、躍動したリズムになり、
3歳児の子は、「たのちいね」と、喜びました。

4歳児でも、5歳児でも、楽譜に書きあらわせない間を、
即興で、やってしまうのが、未だに、
解明できないナゾです。

むしろ、ある程度、成長して、楽譜を読めて、
楽譜通りに弾けるようになると、感覚的な、
楽譜に書き表せない間が、不得意になりがちで、
これは、難しい、解明できていない問題です。
(私も、楽譜に書き表せない間や、リズムは不得意です)

即興演奏の連弾で、適当に、その場で、ストーリーを作って、
幼児と、なにも決めないで、即興演奏をやると、
私のリードもあるとは思いますが、
上手く、ストーリーが流れていく演奏になるのも、
不思議な現象です。

そして、最近、気がついたのは、幼児は、
「ピアノ教室では、ピアノを習いにきているのではない。
アートする体験、なにかを創造する体験が好きで、
レッスンを楽しみにしているのだ」
という事です。

想い出したのは、知人のお話で、
「ピアノの体験レッスンを受けたら、
先生は、娘に、好きなものの話をさせて、
先生が、即興で、ピアノを弾いて、
娘は、好き放題に絵を描いた。その日のレッスンは、
絵を描くのにはまって、娘はピアノは弾かなかった」
という談です。

結局、娘さんは、ピアノを弾かない体験レッスン
を受けたけど、ピアノを弾く事も、大好きになった
そうです。

幼児の娘さんにとって、ピアノを弾く事も、
絵を描く事も、どちらもアートを体験する事で、
アートを体験した事で、絵を描く事と同じくらい、
ピアノを弾く事も、自然に好きになったのだと
思うのです。

私は、「ピアノ教室は、ピアノを教える場」と思っていて、
「アートを体験する場だ」という概念は、今までなかったので、
街の絵画教室のHPを見てみました。

HPには、「子供さんの絵は、上手く描くことの指導は
しないで、とにかく、自由に絵を描く事を体験する」
というような事が、書かれていました。

自由にという事は、自分の心に正直に、自然のままに
描くという事ですかね。

一人の幼児が、絵を描いて、その絵に、また絵を描き足して、
数人の幼児が絵を描いて、連作で、ストーリーを、
つないでいくという例もありました。

私は、「なるほど、これが、アートのコラボだ」
と思ったのです。

私は、幼児達が、絵を描き足している隣りで、
ピアノの即興演奏をしている自分を、夢想しました。

さぞかし楽しいだろうと、思いました(笑)

この楽しさは、でたらめの即興演奏で、ハイになり、
演奏が終わっても、教室で、踊りまくる幼児の楽しさと、
似ていると思いました。
(しかし、昔、はじけすぎて、踊りまくって、
私の頭を、ポンと叩いた幼児の生徒さんも、いました。
怒らないと、マズイでの「コラッ!」と怒りましたデス。笑)

「アートする場」は、嘘偽りのない、ありのままの本心で
アートを体験すると、その人の心の居場所になると思いました。
(アートを仕事にして、お金をもらえるか?どうか?は、
別の問題ですが、誰でも趣味なら、アートを楽しむ事は、
できると思います。むしろ、お金のための仕事は、
スポンサーが欲していることを、やらないとマズイので、
居場所にならない事も、よくあると思いますが・・)

話はかわり、例えば、映画でも、ストーリーを作る人、
演技する人、撮影する人、音楽をつける人etc、
いろいろな人が、アートのコラボ、アートの共演を
しているのですね。

映像に音楽をつけるという事では、昔、テレビで、
坂本龍一さんが出演して、映像に、数人で、
自由に音楽を、作曲してつけるというトライを、
放送していました。

自由につけるという事は、楽器の編成も、作曲者の
好きにして良いという事です。

例えば、ピアノのソロ演奏だけにしようとか、
オーケストラの演奏を使いたいとか、口笛だけにしようとか、
選択肢は、多様です。

無調にしても良いし、調性音楽の範囲で作曲しても良い。

坂本氏のアドバイスでは、
「それぞれの監督が持っている、リズムを感じて、
音楽をつければ良い」と言われていました。

しかし、映画やお芝居の監督の経験もないし、
お芝居をした事もない、私には、
「監督のリズムって、なんじゃらほい?」で、
分かりませんでした。

鑑みれば、私は、国文学科卒で、言葉には、関心があるけど、
お芝居や映画には、関心がなくて、めったに見ないのです。
(言葉に音楽をつける方が、私は映像や、お芝居や、
絵画につけるより、まだ得意です)

そんな私だから、監督のリズムは、感じられないのですね。

ジャズの重鎮のウェイン・ショーター氏や、
敬愛する武満徹氏は、映画が大好きで、
見まくりだったので、監督のリズムや、役者のリズム
に合った音楽が、創作できると思います。

武満氏は、映画音楽の創作の、お仕事もされていました。

私は、できないけど、でも、即興芝居に、即興演奏で、
音楽をつけるのを、一度だけ、体験したいと思い、
体験レッスンを、受けられた方に、きいてみました。

「即興の芝居をやった経験がないと、即興芝居の音楽は、
できないです」との回答でした。

なるほど、私は、お芝居は苦手でやる気がないので、
即興芝居の音楽は、あきらめました。
仮に、なんとか、つけられたとしても、芝居の間や、
リズムが悪い音楽になります。
これでは、ダメですね。

生命感のある、良いリズムの創作は、難しいです。哀

私は、レッスンでやっていた、幼児が好きな絵本を見て、
私が即興演奏する事も、ストーリーと音楽と、
絵のコラボの体験だという事に、気がつきました。

そして、このようなコラボ体験は、幼児が自分で、
作成したストーリーや、自分で描いた絵で、
体験した方が、人の作品の絵本より、
より面白くて、自分の居場所になるのだと、
気がつきました。

私は、絵が得意ではないけど、もし、絵が得意なら、
ピアノを弾くだけではなく、幼児と一緒に、絵も描いて、
美術のコラボ体験もできたと、夢想しました。

現実には、中学生や、高校生になると、絵が得意な子と、
音楽が得意な子と、ストーリー作りが得意な子で、
共演して、動画を作成する事も、できると思います。

これも、アートのコラボを体験する事なのですよね。

私は、「ピアノ講師は、ピアノを教える事」という
狭い枠にとどまらないで、広い視野で、アートする事も、
関心を持とうと思いました。

知人には、創作バレエの音楽を作曲したり、劇の音楽を
作曲している人もいます。

ゲーム音楽の仕事も、ストーリーや、絵etcとの
アートのコラボなのですね。

追記
余談ですが、公開講座の動画作成で、現在、壁紙作りに、
難航してます。ストーリーにあった音楽を、12バージョンで、
編曲しましたが、美術的センスのない私は、約60枚の
壁紙の創作に、苦労しています。
編曲や音楽創作は、短い時間で終わったのに・・。
この分では、5月中は、公開できず、6月にずれこみそうです。
こんなに、大変なものだとは、思いませんでした。
普段から、絵が好きで、よく美術館に行くタイプではない
ので、苦労するのですね。

あさげピアノハウス

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この記事へのコメント

henokaapa
2020年05月14日 20:24
 今日は何もせず、日がなジャズに聞き入り、ディブ・ブルーベック、ゲーリー・ムリィーガン、ポール・デスモンドの競演を聞いていました。やはりディブ・ブルーベックのピアノの魅力は人を惹きつけますね、彼のピアノの嫌みのない情熱は人を遥か水平線にまで連れて行く力を持っています。そしてポール・デスモンドの裏切らない愛情は人を心から安心させ生きる歓びを感じます。ゲーリー・ムリィーガンは初めて聞きましたが、その深い力はまるでゆりかごに揺られているような森の静寂を感じます、やはり音楽はすべての始まりです。生きることはここから始まる、心臓の鼓動の始まりですね。
あさげ
2020年05月14日 21:39
クイーンのフレディー・マーキュリーが、
「音楽は僕の居場所なんだ」と、映画で言っていて、
人間が生まれ育った、母なる大地のような、深い愛を、
デイブ・ブルーベックや、ポール・デスモンドの
音楽に、感じていらっしゃるのですね。
ゲーリー・ムリィーガンは、私は聴いた事がないですが、
森の静寂のような、自然の抱擁力にあふれた、
音楽なのですね。
チック・コリアは、「リズムは生命を支配する力」と
言っていて、心臓の鼓動のリズムのような、
生命のリズムが、音楽のリズムだと思います。
音楽に、生命の始まりを、感じられるのは、
深い感性だと、感心します。
子供さんを教えていて思うのは、楽器を演奏するとか、
楽譜を読めるようにするとか、
それは、音楽の一番の目的ではなくて、単なる手段の一つで
ある事。音楽が、その人の生の居場所になる事。
ありのままのその人でいられる、無理しない、
嘘偽りのない、自分を裏切らない居場所になる事だと、
思うのです。
私は音楽以外は疎いけど、すべてのアートの本質は、
そこにあると思うのですが・。